電子工作に必須⁉直流安定化電源WANPTEK製WPS3010Hを勝手にレビュー

グッズ紹介

今回はWANPTEKのWPSシリーズWPS3010Hを勝手に紹介します。

結論は、ライトユーザーならオススメです。

購入先はAmazon。Amazon大概のもの売ってるし、届くの早いし、ありがたい限りです。少し遅れてでも良いから、まとめて送ってくれると、嬉しい場面もあったり。日付指定で送れば良いよとか聞きますが。そんなことはさておいて。

格安な直流安定化電源系の一つです。

電子工作をしていると、欲しくなるのが直流安定化電源(定電圧電源とか呼んだり)ですよね。きっとこれを読んでいるあなたも買おうか迷っているのではないかと思います。

無ければ無いで、電圧切り替えできるACアダプタとか、USBから取ったり、3端子レギュレータかましたり。やれないことはないけれど、電流制限かけたい場面があったりと、電圧変えるのが手間だったりするので、あると便利な道具ですよね。

値段が高くても良くて、性能と機能も充実したものがほしければ、菊水電子工業(KIKUSUI)とか高砂製作所の製品が有名どころでしょうか。でも、値段も10万いかないくらいからと、値も張ります。中古品をメルカリとかヤフオクで探してみるのもいいですかね。

仕事で菊水や高砂の製品を使用経験があります。良いやつも使ったことある私が、その経験も踏まえて格安製品は、どうなのかをレビューします。

購入で迷っている方の参考になれば幸いです。

先に、なぜこの商品にしたか、述べておきますと、

一万円以下で、

『見た目がよく、出力のオンオフボタンが全面にあること』です。えっ?と思われるかもしれませんが、以下を読んでいただければ納得してもらえると思います。

今回の製品のスペック

  • 製品モデル:WPS3010H
  • 出力電力 :300W
  • 出力電圧 :0~30V
  • 出力電流 :0~10A
  • 表示分解能:電圧0.01V、電流0.001A

長時間の安定性はどうなのかを。加熱保護あるそうなので止まるのか安定して行けるのか。

機能

  1. USB急速充電、OUT / PUT出力オンオフボタン、エンコーダ調整つまみ
  2. 保護機能
    • OVP過電圧保護
    • OCP過電流保護
    • 過熱保護
    • 短絡アラーム停止出力
  3. CVモード中
    • 電圧安定性:0.5%±3mV
    • 負荷安定性:0.5%±3mV
    • リップル電圧:≤0.5% Vp-p
  4. CCモード中
    • 電流安定性:0.5%±3mA
    • 負荷安定性:0.5%±3mA
    • リップル電流:≤0.5%Vp-p
    • 回復時間:≤500μS
    • 温度係数:≤100ppm/℃
  5. 商品のサイズ 190mm(長さ)X 90mm(幅)X 145mm(高さ)
  6. 重量:1.15Kg

この電源は、スイッチング方式の変換となります。パラパラと他の商品を見た限り格安系はスイッチング方式ばかりだと思われます。

スイッチングの名の通り、オンオフを繰り返しながら電圧を変えていきます。

デメリットを先に上げると、スイッチングする都合、電圧に高周波のノイズが乗ってきますが、格安電源を買おうとしているほとんどの方にとっては問題にはならないです。

スイッチング方式の電源全部が悪いわけではありません。お値段の良いやつは、電圧、電流安定性や、リップルノイズと言われる性能が、一桁は違って小さいです(何なら二桁)。それだけコストがかかっているわけですね。

スイッチングではないやつとなると、シリーズレギュレート方式です。こちらはノイズが小さい方式ですが、その方式ゆえに物理的にデカくて重量があり、スイッチング方式に比べると電力効率がよくありません。

メーカのホームページを見ると、近年の主流は、省エネや小型軽量のものが好まれるためスイッチング方式のものだそうです。

他にも、負荷を繋いだときの出力に変動が少ないとか、負荷が変動したときに対する応答性が良いだとか、電源に求められる性能は様々。

ノイズを許さない高精度な電圧が要求される場合、回路自体も往々にして複雑なものとなります。そういった方はノイズのことも理解していると思われますし、この格安電源を購入しようとはしないかと思われます。

DIYユーザーにとって、そういったシチュエーションは限りなく少ないですし、そんなときだけバッテリーや電池駆動とか、回路に組み込む電源だけ高性能なコンバータを載せるとかで、充分に事は足りるかなと思います。

スイッチング方式のメリットは、電源の小型化、軽量化、低価格化、変換効率の高さです。これはライトユーザーにとってデメリットを充分に上回ると、私は考えます。

機能は、定電圧(CV:Constant Voltage)モードだけでなく、定電流(CC:Constant Current)モードもあります。

他に出品されてるメーカーのものも、ここら辺の機能はありましたので、あんまり優位性はないです。

CVとCC(使ったことない方向け

各モードの違いについて、安定化電源使われたことない方向けに説明すると

CV(定電圧

定電圧は、出力したい電圧と上限の電流を設定して、上限の電流の範囲内で、出力電圧を保つモードです。

CC(定電流

定電流は、出力したい電流を設定して、その電流が流れるように、電圧を下げてくれます。

ボタンでモードを切り替えるというよりは、電流の設定値をいくつにするかによって、モードを使い分けます。

定電圧モードで、電流を必要な分より少し高くしておくことで、誤った回路(ショートとか部品の選定ミス)のときに過電流を防ぎ破損や安全を守ることができます。その間は定電流モードに入ります。

 

OVPとOCP(使ったこと無い人向け

過電圧保護(OVP:Over Voltage Protection)と過電流保護(OCP:Over Current Protection)について。

過電圧保護

過電圧の設定電圧は、CVの電圧より高くします。何らかによって出力端子に過電圧がかかった際に、負荷(電源に繋いでる機器)を守るため、出力を停止してくれます。

CVの電圧を、うっかり上げすぎて負荷を壊したりしないように、過電圧の設定をしておきます。保護が働いたら電源の主電源を再投入で復帰します。

過電流保護

過電流の設定電流は、CCの電流より高くしておきます。これも何らかによって過電流になった際に、負荷を守るため、出力を停止します。

CCの設定電流をうっかり上げすぎて負荷を壊したりしないように過電流の設定をしておきます。こっちも保護が働いたら主電源を再投入で復帰します。

ただこれらの機能も、同価格帯の製品には設定されています。

多くの格安電源にUSB充電がついているのは、USBで電源取ってマイコンやらやるときに便利なんですかね?

でも、この電源は定電圧、定電流の管理外なんですよね。だったら要らないような…

格安電源を選ぶポイント

色々書いてきましたが機能の違いは格安系はほとんどありません。

そうなってくると操作しやすいように、ボタンが前にあるものが良いです主電源ボタンもどうせなら前に欲しいですよね。

あとは、出力のオンオフボタンがあるものを選びます。製品によっては主電源が出力のオンオフ兼ねているものがあります。電圧を毎回下げておくとか、オンオフが面倒とか使い勝手が非常に悪いので、出力のオンオフボタンがあるのを選びましょう。

電流の設定が、出力オンする前にできるものにしましょう。短絡させないと調整値がわからないものがあります。これも面倒なのでやめておきしょう。

面倒な事は理解して、一番安いものが欲しい方は、この限りではありません。

ここからは、使ってみないとわからない所ですが、

スイッチの効きが、早いと効かない。そんなグリグリ回すことないっちゃ無いですが、カチカチカチとロータリスイッチのクリックを感じるくらいで回すと抜け感なく値が変わります。ジャッと勢いよく回すと流石についてこないです。ですが、これくらいで十分です。

電圧を調整して実際の電圧がどれくらいで変わっていくか。上げていく、オフからオンする際はテスターで見てる分には違和感なく上昇してきます。オフするときや。急激に下げる時は、若干の遅れを感じます。ですが、こちらも許容できます。高い電源は放電も早いですが、十分です。

おまけ

出力ボタン長押しで、システム設定を変更することができます。ボタン押したときのビープ音は、私にはうるさかったのでオフにしました。一つ気になるのが、シリアル通信のボーレートが記載あること。調べてみるとメーカーから買うときにオプションでリモートコントロールをつけれるようです。メーカのホームページに遠隔ソフトや通信プロトコル、CH341のUSBシリアル変換のドライバーの提供がありました。

背面のコンセントの左のラベルのところに設定がある機種はUSB端子があるようです。触ってみると穴だけ空いているのがわかりました。

ネットで情報を上げている方がいて、その方の情報ではマイコンがSTMicroのSTM8S105K4が搭載。未実装コネクタがありましたが、私の基板はnuvotonのMS51FB9AEが搭載。UARTの割当があるのは、No2.3と、No8.18の組み合わせ。

UARTのNo2.3ピン、No1ピンは3線シリアル〔DIO(No1),CLK(No2),STB(No3)〕として、7セグのTM1629Cに使用されていました。もう一個のUARTのNo8.18ピンは恐らくICP用の5線がまとまっている(画像のJ3)ので制御用ではないと推測。

私の予想は外れていました。恐らくマイコンの制御プログラムはそのままに、わざわざプログラムや基板を分けるようなことしないのではと思ってました。制御基板から、仕様を分けているのかもしれません。

安いからこそ、しっかりと分けているのでしょうか。

昔のイメージですが、安い分そのまま雑な作りというか仕上げしてないからこそ、安いのかと思っていましたが、値段充分な性能に感じます。

まとめ

直流安定化電源WANPTEK製WPS3010Hを、勝手にレビューしてみました。
お買い求めやすく、性能はライトユーザーにとっては十分と感じます。
ボタンも、使いやすく作られていると思います。

それでは、快適なDIYライフを。

この記事を書いた人
ユカタキ

私、気になります!
自分でやってみたくなる性格の私は、電子工作、プログラム、3Dプリンター関連の事などの情報を発信しています。
社会人から電子工作を始め14年、電験3種一発合格、2021年から3DプリンタをDIYに活用。
そんな私が、まだまだ調べながらではありますが、ほかのDIYユーザー皆さんのためになるようなことを心がけています

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